令和3年度 第三セクター鉄道の輸送実績・経営成績について

令和3年度第三セクター鉄道等協議会会員各社の輸送実績・経営成績(関連事業を含む)を、別紙のとおりまとめましたのでお知らせします。7月現在の加盟会社数は40社です。北近畿タンゴ鉄道㈱は第三種鉄道事業者ですので、輸送人員の実績はありません。

1.経営成績

令和3年度も新型コロナ感染症拡大の影響が継続しました。地域により異なりますが、緊急事態宣言が4月に発出し9月末で解除となり、まん延防止等重点措置が令和4年1月に発出し3月に解除となりました。1年間を通じ輸送実績・経営成績に大きな影響を与えましたが、徐々に回復傾向となっています。定期券利用者につきましては、オンライン授業やテレワーク通勤等が浸透したものの、学校休校の措置が少ない状況でした。定期外利用者は、上期は不要不急の外出の自粛、観光列車・企画列車の運休、イベントの中止等で大幅に減少しましたが、10月以降はウイズコロナが浸透し、臨時列車・各地のイベント開催等が徐々に実施されることとなりました。

令和3年度の輸送人員は74,512千人で、前年度に比較して+5,270千人(∔7.6%)の増加となりました(令和元年度比較 約△20.6百万人)。令和3年度は令和2年度に比較し、32社が増加、7社が減少となりました。なお、令和2年度は令和元年度に対し1社が増加、38社が減少でした。

2.経営成績

新型コロナ感染症の影響は大きく、令和3年度は加盟40社の内、39社で赤字、1社が黒字となりました。経常損失は126億3,971万円を計上しております。なお、令和2年度は、加盟40社全て赤字で、経常損失は122億2,063万円となっております。

3.第三セクター鉄道の今後の方向

○ 第三セクター鉄道は、地域の生活を守る鉄道として昭和59年に三陸鉄道が営業を開始して以来、厳しい経営環境下にあって旅客および貨物の輸送を行っております。「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」により公有民営方式など鉄道事業の新しい形態の道筋が作られ、加盟会社では、三陸鉄道、若桜鉄道、信楽高原鐵道、北近畿タンゴ鉄道、山形鉄道の5社が新しい形態による鉄道事業の運営を行っています。

○ 第三セクター鉄道は、取り巻く厳しい環境の中にあっても、安全輸送の確保は最重要であると認識し、安全管理体制の整備、安全対策設備の整備や老朽設備の取り替えなど重点的に整備を図っており、教育の充実、技術の継承にも努めていきます。

○ 第三セクター鉄道は、地域の公共交通機関であり、沿線地域の財産でもあります。その所有、運営、存続について、鉄道事業者を中心に地域住民、自治体等と一体になって現実を踏まえた、よりよい地域社会の発展の一助となるよう取り組んでいきたいと考えています。

参考資料

【別   紙】:第三セクター鉄道等協議会加盟各社の輸送実績・経営成績

【参考資料1】:輸送人員の推移(H24~R3年)

【参考資料2】:経常損益の推移(H24~R3年)

【参考資料3】:第三セクター鉄道位置図

【参考資料4】:報道機関への対応者