令和5年度 第三セクター鉄道の輸送実績・経営成績について

 令和5年度第三セクター鉄道等協議会加盟各社の輸送実績・経営成績(関連事業を含む)を、別紙のとおりまとめましたのでお知らせします。令和6年3月開業の㈱ハピラインふくいが加盟し、令和6年7月現在の加盟会社数は41社です。なお、北近畿タンゴ鉄道㈱は第三種鉄道事業者ですので、輸送人員の実績はありません。

1.輸送実績

 令和5年5月に新型コロナ感染症が第5類へ移行し、お客さま流動は徐々に回復傾向となっていますが、コロナ禍以前には戻っていません。定期利用者は、少子化による生徒数減少が見られますが、オンライン授業やテレワーク通勤等の減少で増加傾向です。定期外利用者は、沿線自治体や自社による観光列車・企画列車・イベント開催等による利用旅客が増加し、インバウンド旅客も徐々に増加しました。したがって、輸送人員は、令和4年度に比較して全体的に増加しました。
 令和5年度の輸送人員は85,841千人で、前年度に比較し+5,545千人(+6.9%)の増加となりました(令和元年度比較 約△9,227千人)。令和4年度に比較し、34社が増加しました。なお、令和4年度は令和3年度に対し36社が増加でした。

2.経営成績

 新型コロナ感染症の5類移行で利用者は増えたものの、内外の情勢の変化による電気料金・燃料費等の支出が大きく、令和5年度は加盟41社の内、37社が赤字、4社が黒字となりました。経常損失は合計で86億269万円を計上しております。なお、令和4年度は加盟39社が赤字、2社が黒字であり、経常損失は141億6,273万円でした。

3.第三セクター鉄道の今後の方向

○ 第三セクター鉄道は、地域の生活を守る鉄道として昭和59年に三陸鉄道が営業を開始して以来、厳しい経営環境下にあって旅客および貨物の輸送を行っております。「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」により公有民営方式など鉄道事業の新しい形態の道筋が作られ、加盟会社では、三陸鉄道、若桜鉄道、信楽高原鐵道、北近畿タンゴ鉄道、山形鉄道、南阿蘇鉄道㈱(令和5年4月より)の6社が新しい形態による鉄道事業の運営を行っています。
○ 第三セクター鉄道は、取り巻く厳しい環境の中にあっても、安全輸送の確保は最重要であると認識し、安全管理体制の整備、安全対策設備の整備や老朽設備の取り替えなど重点的に整備を図っており、教育の充実、技術の継承にも努めていきます。
○ 第三セクター鉄道は、地域の公共交通機関であり、沿線地域の財産でもあります。その所有、運営、存続について、鉄道事業者を中心に地域住民、自治体等と一体になって現実を踏まえた、よりよい地域社会の発展の一助となるよう取り組んでいきたいと考えています。

参考資料

【別   紙】:第三セクター鉄道等協議会加盟各社の輸送実績・経営成績

【参考資料1】:輸送人員の推移(H26~R5年)

【参考資料2】:経常損益の推移(H26~R5年)

【参考資料3】:第三セクター鉄道位置図